脳というのは、複数の器官が存在しており、その多くを占めているのが大脳となっています。大脳というのは、側頭葉、後頭葉、頭頂葉、前頭葉の4つに分かれており、それぞれの機能が異なっています。大脳の中の器官と、機能について解説をしていきます。
・側頭葉
側頭葉というのは側頭部にある器官となっており、感情や嗅覚、聴覚、記憶、言語などを司っている重要な器官です。
・頭頂葉
頭の頂上にある器官となっており、圧力や温度、痛みなどを感じる器官となっています。
・後頭葉
後頭部部分にある器官となっており、視覚中枢があるのが後頭葉です。
・前頭葉
頭の前方にある器官となっており、とても大きな器官となっています。
この前頭葉は、運動前野と運動野、そして前頭前野に分類する事ができます。運動野と運動前野というのは、運動をするための準備や運動をするときに活動することになります。そして前頭前野は、想像力や思考を司っているため、脳の中でも特に重要だとされています。何かを実行したり、意欲を湧かせるのは、この前頭前野になっており、人間が生きるために必要不可欠になっているのです。
基本的に前頭前野=前頭葉と考えられていることが多いです。この前頭葉に障害が起きてしまったりすると、非常に深刻な問題が生じてしまいます。かつてロボトミー手術といわれる手術がありました。このロボトミー手術は、前頭葉を削除するという手術となっていました。
1950年代~1970年代まで活発に行われていた手術なのですが、当時は精神薬はまだ開発されていませんでした。精神疾患を治療するための方法として用いられていたのが、ロボトミー手術です。動物実験によって、チンパンジーの前頭葉を切除した結果、性格が和らいだということで、人間でも行われるようになった手術方法となっています。
そのため、5万人もの人が、このロボトミー手術を受けたのですが、ロボトミー手術を受けた人で、行動や感情面で障害が生じてしまう人が多くなってしまいました。前頭葉を切除したことによって、状況を把握することができなくなったり、何かに関心を持たなくなってしまう、注意力が低下してしまう、自分勝手な行動をしたり自制心が無くなってしまうといった症状が現れるようになったのです。皮肉なことに、ロボトミー手術で前頭葉を切除した人が増えたことによって、前頭葉にはどのような役割があるのかが判明されていったのです。
この他にも、戦争中の負傷によって、脳にダメージを負ってしまった人の脳を使って研究もおこなわれました。これによって、脳の器官別にどのような働きを持っているのかが判明されていったのです。脳の仕組みや脳の働きなどが明らかになったのは、多くの人の脳が研究で使われたからという歴史があるのです。前頭葉があるからこそ、意欲的になったり、想像力を働かせたり、何かを実行することができるようになっているのです。つまり、前頭葉を活性化させることは同時に頭の回転が速くなるともいえます。そういえば、最近は
頭が良くなるサプリメントなんかも販売されているようです。主にDHAが入ったサプリメントだそうです。
認知症になってしまうと、記憶力が失われてしまうといわれているのですが、この認知症を発症しても前頭葉は機能しにくくなってしまいます。そのため、行動力やモチベーションが失われてしまったり、計画性が無くなってしまうのです。
他の生物と比べて、人間というのは圧倒的に前頭葉が占めている割合が高くなっています。人間が、他の生物よりも高い知能を持っているのは、この前頭葉のおかげだ解いても過言ではないでしょう。